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第14回書き込み寺企画作品、D・W・W著「ドラゴンクリーナー」の感想
日時: 2007/04/21 03:24
名前: D・W・W
URL: http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/6219/ LINK→

 D・W・Wでござる。
 ドラゴンクリーナーの感想は、此方にお願いいたしますぞ。

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Re: 第14回書き込み寺企画作品、D・W・W著「ドラゴンクリーナー」の感想 ( No.1 )
日時: 2007/05/22 14:52
名前: 宇苅つい
URL: http://gogosui.flop.jp/ HOME→

とても健やかでいいお話。
>龍の心を動かしたのが、食物でも権力でもなく、清潔
というのが面白い。この話の要である龍の位置づけがここで生きたと言い切りたい。巧妙な設定と思います。
登場人物それぞれが個性豊かで、新人さん達の成長過程が無理なく心地よく伝わってきて、この辺りは流石です。龍の大きさがよく分かるお掃除風景も大変楽しく読めました。

これは好みの問題もあり、蛇足的ではありますが、第1章を冒頭にして、1章の途中に序章部分を混ぜればどうだったかなー、と。
全体的に明るい印象の作品なのに、序章部分だけ妙に堅苦しい。その気分で1章、2章と読み進んだので、「ありゃ? 明るいぞ」と多少の戸惑いを覚えました。まぁ、Dさんの普段の暗黒作品を知ってる所為でもあるのでしょうがw。掴みの部分でもありますし、初っぱなの印象はデカいので、好みとは言いつつも、一応書いておきますよ。

執筆お疲れ様でした。良作ご馳走様でした。

第14回書き込み寺企画作品、D・W・Wはん著「ドラゴンクリーナー」の感想 ( No.2 )
日時: 2007/05/30 23:33
名前: ゆめなまこ

いや、これは問題作ですわ
極めて暗示的な物語とわては受け止めました。

なぜならこの物語は人間が自らを統べる事を諦め
自分より優れたモノにその運命をゆだねるというアンチ・ヒューマニズムに満ち溢れてる
とわては読み終わって直感いたしました。

この物語世界では人間は自らをコントロールできないダメな存在であり、生きながらえるには
力と聡明さと有る意味冷酷さをもった「龍王」にゆだね、おかげでみんな平和に暮らしており、大多数の人々がそれに疑問ももっていない・・・。

これ、コワイとおもいまへんか?
わてはコワイというかスゴイ思いました

これほど人間の可能性を否定した筋立ては無いように思いますけどなぁ・・・

いや、これは別に批判ではおまへん
手放しの賞賛でおます。

人間と言う生き物の可能性を賞賛する作品は腐るほどありますが
それを否定するいう作品は稀有でおます。
かつて人間の希望を一切否定した作品といえば横山光輝の「マーズ」や
永井豪の「デビルマン」などがありまっけど
こういう形で淡々と明るく、しかし落ち着いた語り口調でやってのけるとは
なかなか出来まへん。

さすがDはん!
とわては読了後膝を叩き青あざが出来ました(笑)

ひょっとしたら、いや、70%の確立で
Dはんの意図と違う受け止め方をしてるかも知れ真へんが
そのへんは変人ゆめなまこゆえの穿ったものの見方だと笑ってお許しください。

しかし、それでもわては本作は静かながら強烈な「人間批判」の物語と
確信しております。

最後に

「ですのー」のシャドとユノは可愛かったでっせ♪

Re: 第14回書き込み寺企画作品、D・W・W著「ドラゴンクリーナー」の感想 ( No.3 )
日時: 2007/06/22 22:56
名前: 深那 優
URL: http://minasweet.jp HOME→

読ませていただきました!
早速、感想書かせていただきますね(^^


読み終えて……というより、読んでる途中からずっと感じていたのが、設定の細かさ。
登場人物然り、舞台背景然り、ストーリー展開然り。
正直、Dさんの作品って、たまに設定の説明をしている文章が読むリズムを崩してしまっていると感じてしまうものもありましたが、この「ドラゴンクリーナー」に関しては、そういう感じは受けませんでした。
必要な設定説明が適度になされているように思います。

それにしても、「新人さん」というテーマからこんなお話を書くことが出来るなんて、さすがですね!
新人さんたちの成長過程、読んでいてとても爽快感を覚えました。
Dさんらしい、結構重厚な感じの世界観の中でも、こういった『人間の成長』という観点で爽快感を得られる作品に仕上げられているということは、とても凄いことだと、私は思います。
多くは語られていないけれど、私は7級最後の日に4人そろって雪屋に行ったシーンが好き。
多く語られていなくとも、その光景、そこでの会話が目に浮かぶよう。
>運ばれてきたそれは泡立っていて、珍しかった。口を付けてみると、苦くて、全然美味しくなかった。皆に大笑いされたが、フラネルもおかしかった。
この文章が、そのシーンの中でも特に好きです。
更に厳密に言うと、『おかしかった』が。
この文章によって、『新人さん』というテーマが完全に満たされたんだと、私は勝手に思っています。
それくらい、私には印象的な一文でした。


とにかく、気持ちよく読めた作品。
良作をありがとうございました(^^
第14回書き込み寺企画作品、D・W・W著「ドラゴンクリーナー」の感想 ( No.4 )
日時: 2007/06/24 18:42
名前: toku
URL: http://www5d.biglobe.ne.jp/~K-toku/ HOME→

最初、タイトルの意味が分からなかったのだが、読み進めてすぐに納得。改めてタイトルというのは、実に重要だなと思います。
基本的にファンタジーなのですが、ファンタジーの重要な要素のひとつとして、「紀行文」という性格もあると思う。どういうことかというと、「主人公達の暮らす世界は一体いかなる場所なのか?」という読み手の感心をいかに満足させるのか?それは、アイディアだけでなく、いかに現実世界で生きている人間の感性とフィットさせるかというもので、その点では、限られた文章量で十分以上の効果を出しているのでは?とも思います。日々の生活、食事、迷信の流布の源泉となる数々の逸話、そして「龍王」の姿・・・かなり手馴れてますな(感動)
主人公フラネル達の視点を中心に描かれる作中の社会、そして「仲間」や「仕事」に対する視点、さらには世代から世代へと受け継がれるもの……このあたりの視点は、変化球を織り交ぜながらも作者様の一種のユートピア観とでもいうべきものが入っているのかな?とも感じられましたが……作者様にとっては余計なお世話なんだろうなぁ^_^;
Re: 第14回書き込み寺企画作品、D・W・W著「ドラゴンクリーナー」の感想 ( No.5 )
日時: 2007/07/29 06:59
名前: 桂月 椋
URL: http://mkagetsu.hp.infoseek.co.jp/index.html HOME→

感想が遅くなり、すみませんでした。

D・W・Wさんの作品は今まで数少なくともずっと読ませていただき、世界観の作りこみ、文章力にいつも感心していましたが、この作品はとにかく好きだなー!と思いました。一読者として、本当に楽しませて頂きました。

新人というテーマに実にぴったり嵌っていて、しかも本当に人間が「綺麗」に働くために必要なことがきちんと書かれています。ゆめなまこさんも指摘されておられますが、私も「人間が理想とする世界」が「龍」という巨大な存在によって初めて成立することに、熾烈な人間批判と、何を利用しても賢く生きる人間の図太さに対する尊敬を感じました。単純な人間批判ではなく、自分達が平和に生きていくためには、プライドをも捨てて困難を乗り越えてしまう人間の図太さに拍手したい気持ちが産まれました。

どのエピソードもきちんとした前提・結果に結びついていて安定感があり、きちんと働くことに対する爽快感が物語を明るく照らし出してくれています。龍とのギブアンドテイクの契約が、人間にとって龍にとっても利益になるという描写も、丁寧な筆致で書かれています。龍の体の掃除があんなに大変だなんて、単なる想像だけでは想像できませんよね!

作品は素晴らしく安定しており、1人の人間だけではなく種としての人間成長物語として、非常に感動しました。素晴らしいです!

私がオンラインで読んだ中で、大好きな作品の一つに挙げられるのではないでしょうか?!
それぐらい楽しかったです。続けて作品を書いていただきたいぐらい、この作品のファンになりました。

1つ批評らしきものを挙げるとしたら、私もついさんと同じように序章をもう少し簡単にすべきじゃないか、と思いました。読者が序章だけ読んでやめてしまう可能性を危惧しています。次に続く第一章が素晴らしいものだけに、最初の説明で「ああ、ドラゴンが出てくるファンタジーか」と断じられてしまいそうで勿体無いです。いきなり第一章でも読者はついてこれると思いますよ。例えば、フラネルの旅の途中に序章の説明を入れても大丈夫だと思います。フラネルが馬車に揺られつつ外の景色を眺めるシーンから、序章の説明に転換すると自然な形になるような気がします。

本当に楽しかったです。続きが読みたい、と言ったら書いてもらえるんでしょうかね??
それぐらい大好きになった作品でした。ここまでキチンと人間が書けるファンタジー、素晴らしいです。執筆ご苦労様でした。そしてありがとうございました!

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