Re: 第十七回企画作品、D・W・W著「甘くて苦いお菓子の話」感想 ( No.1 ) |
- 日時: 2008/11/09 20:57
- 名前: toku
- URL: http://negotoya.kir.jp/ HOME→
- 「甘くて苦いお菓子の話」拝読させて頂きました。
学習マンガ的と作者様ご自身がおっしゃられてますが、まさに言い得て妙なりですね。 実のところ、特別な事件が有るわけではない。何というか、淡々とまさにチョコレートが出来るまでを、一人の少女に追いかけさせている作品。いや、私自身が勉強になりました(笑)よく調べられている!
Dさんの小説って、以前が荒っぽいという意味ではないのですが、今回は今までにもまして、舐めるように丁寧に丁寧に作り上げたという感じでしたね。そして、例によって作中に伺えるDさん節。 今作は、この一文にそのエッセンスが集約されたかと。少女がチョコレート工場にて思うこの言葉。
>良い人が、愚か者の代名詞になったのは、いつからなのでしょうか。何だか、この年で言うのも何ですが、常識というものは好きになれません。人間の愚かさがより凝縮されているとしか思えないからです。
常識というのは、見方を変えれば、人の知恵を最大公約数としてしまったもの。でも、人の愚かさもまたついて回る以上、Dさん(少女)の指摘する部分もあると。
いやはや、丁寧かつ刺激的な作をありがとうございます。次回作も期待しておりますよ。
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Re: 第十七回企画作品、D・W・W著「甘くて苦いお菓子の話」感想 ( No.2 ) |
- 日時: 2008/12/05 11:36
- 名前: ゆめなまこ
- まず、
Dさまの取材力、そして分析力に脱毛、いや脱帽! どこでどうここまで調べ上げたのか正直教えていただきたい。 巻末に参考文献の一覧を乗っけてくださいな
そして、全編に流れる搾取されるものへのやりきれない思いと 搾取する側への底知れぬ怒り! 船戸与一もびっくりな硬派のルポルタージュ風フィクションに仕上がっとりますなぁ ただし、それを語る側が間違いなく強力な権力と暴力に保護された立場であるという所が またいい味の矛盾を醸し出し、話そのもののやりきれなさにターボをかけております。
取り上げた題材のタイムーさにもD様の鋭い感覚がうかがえます。 先進国がヘラヘラ消費しているモノが、後進国において、いかなる悲惨な状況で生産されているか 『ブラッド・ダイヤモンド』『ダーウィンの悲劇』『美味しいコーヒーの真実』 などの最近の硬派な映像作品によく見られるテーマです。 そこを今回の企画のお題にからめてぶち込んでくるとは・・・
またD様の実力を思い知らされた感があります。 では、今からもう一作を読ませていただきます。
力作、お疲れ様でした!
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Re: 第十七回企画作品、D・W・W著「甘くて苦いお菓子の話」感想 ( No.3 ) |
- 日時: 2008/12/08 02:29
- 名前: 月島瑠奈
- URL: http://lunatuki.ojaru.jp/ HOME→
- こんにちは。作品の方拝見致しましたので、拙いですが感想など述べさせて頂きます。
結構他の方と被っちゃう所もあるかと思いますが、ご了承下さい。
やはり凄い綿密に調査されていると強く感じました。 そして、調べた事をただ羅列するだけではなくて、自然に話の内容に織り込む所にDさんの底力を感じました。 これは調査した上で、ちゃんと搾取する側、される側の状況を理解しきっていなければ出来ない事だと思います。 うーん、お見事。脱帽です。むしろ土下座?(何故/笑)
あと、ゆめさんも仰っているように、ただのお嬢様ではなく、政界を動かす程の権力者に守られている立場、というのが興味深いです。 常日頃過酷な立場にあってこそ、興味本位ではなく、心から現地の過酷さを理解したいと思えたのでは、と感じました。 これが、ただの大会社のお嬢様が物見遊山で現地を見学に行きました、過酷でかわいそうでした、という内容であれば、説得力がぐっと下がっていた事でしょう。
とりあえず最後に。 どこが、「チョコレートを作るだけの話」なんですか、もう(笑)
骨太な作品、ありがとうございました。 執筆本当にお疲れ様でした。
口どけのよいチョコの季節ですが、1つずつ味わって食べたいと思います。
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