Re: 第十七回企画作品、D・W・W著「泥山のマエストロ」の感想 ( No.1 ) |
- 日時: 2008/12/08 11:42
- 名前: ゆめなまこ
- 企画作第二弾、拝読しました。
第一弾から打って変って、Dさまのホームグラウンドとともいうべきデス・トピア系SF 毎度の如く冷酷非情のDさま節が炸裂しております。
今回も徹底的に貫かれるアンチ・ヒューマニズムの姿勢 人間の暗黒面に対する果てしない絶望と、苛烈な糾弾は 耳に痛いを通り越して心地よくもあります。 そして、これも共通のテーマである神のごとき超越者の存在。 これが主人公を通して、やがて世界の傍観者となる所は もうDワールドの極みと言えるでしょう。
でも、ここまで人間という存在を責めて責めて責め抜くのは Dさまが人間の本質の中にある善を信じている(信じたい?)せいでございましょう。 この辺、読んでいて胸に迫りました。
あと、D様の作品に共通するモチーフ『登る(下る)』も今回登場しましたね。 これは主人公が課せられる苦行のトーテムなのでしょうか? (そういえば『甘くて苦いお菓子の話』でも主人公は自らに苦行を課しますね) そのあたりに、なんとなくD様が人生とか生きることを表現する時のこだわりが見える気がします。
いやはや、今回もパワーのある作品を拝ませて頂きました。 毎度、ありがとうございます。
|
|