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第十八回企画作:ゆめなまこ著「ダンボールの城」への感想
日時: 2009/08/01 03:14
名前: ゆめなまこ
URL: http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/6219/ LINK→

かなり暗い目の作品となります
テーマも重苦しいです
救いも許しもへったくれもありません

しかし!ゼヒお読みください。
感想、お待ちしています

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/6219/dannbooru1.html LINK→
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Re: 第十八回企画作:ゆめなまこ著「ダンボールの城」への感想 ( No.1 )
日時: 2009/09/03 07:23
名前: toku
URL: http://negotoya.kir.jp/ HOME→

「ダンボールの城」拝読いたしました。
以後、ネタバレなどに気をつけつつ、感想をば。

一読しての印象を言うなら……。
これは間違いなく「力作」である!
現実の事象にそくした舞台設定。リアルな人間模様。陰惨な事件。
そして、ヒロインたる駒場のキャラクターとしての魅力。
いや、もう「キャラクター」という言葉を使うのも躊躇するほどの重厚な内容です。
凄いなぁ……。
本作は、ミステリーとしての要素も強いので、ラスト周辺に対して具体的に触れるのは避けますが、あのラストの救いのなさ。逆に本作には合っているように思えました。
そして、捜査という本作のドラマの中で動き、蠢く人間達。
個性豊かな(というよりアクの強い)刑事達、ちょっとしたやりとりに見える人間の善意と悪意。

あたまの方で、ヒロイン=駒場と書きましたが、本当のヒロインは「智恵」なんですよね、私的には。
「智恵」が受けるべき罰を受けるための儀式・・・いささか無責任な描き方にもなりますが、本作のドラマにはそういった面もあるように思えました。となると、駒場の本来の役どころは「司祭」か?
あの「ダンボールの城」は、それ自体が事件の重要な証拠品である以上に、儀式を完全なものにする為に絶対に必要なものだったのですね。そして、それを見つけ出す者は駒場でなければならなかった……。
タイトルが「ダンボールの城」である意味を読み手が理解した時、何ともいえない感情が湧いてくるのは間違いありません。

ところで、駒場に関しては、若き日の松下由樹に脳内ビジュアル変換して読んでました。
しかし、駒場……ゴハン食べ過ぎ(笑)そして強すぎ(笑)
いや、大食いキャラは好きなんですけどね。

う〜ん……感想うまくまとめられないなぁ……とにかく、読み手としては圧倒されました。そうとしか言えません。
お見事!!
そして、どうすれば、こういう話が書けますか?(マジで)

以上、つたない感想で申し訳ないです。
Re: 第十八回企画作:ゆめなまこ著「ダンボールの城」への感想 ( No.2 )
日時: 2009/09/14 08:19
名前: オカザキレオ
URL: http://www.ne.jp/asahi/r/eo/ HOME→


まずは大作、お疲れさまでした。
僕はもうこの言葉しか出てこない。
tokuさんも絶賛されてましたが、その気持ちがよく分かります。今回の作品、僕も惚れ込みました。
では、僕なりの視点で感想を。

ゆめさんは「重い」と書かれてましたが
その「重さ」を駒井さんというキャラの「癒し」にも近い愛らしさで、読後に一抹の救われた物語になっていたたような、そんな気がします。
なんと言っていいか、キャラがまず確立されていた、と思うのです。
しかも後書きで見るとゆめさんのMAZEシリーズに出てくるキャラだ仰るではないですか。
僕は勉強不足で、そちらは未読だったのですが
シリーズ物をまったく感じさせない完成度。不純物なんか一つ無い読後感。その後でシリーズ物と聞いたら・・・・読まずにはいられないじゃないですか(笑)
そう興奮してしまうくらい僕はのめりこみました。

最後に書かれていた参考文献からも、テーマの重大性からもゆめさんは中途半端ではなく、きっちり書かれていたとその点でも脱帽です。
資料を活かすという書き方が苦手な僕としては、本当に勉強になります。


ま、あえてあえてあえて
無理矢理ケチをつけるような、そんな情けない気持ちですが、
僕の読み込み不足、読解力不足もああると思うのですが
駒井さんの抱えている、件の人物を一種の安心をさせたその理由の一端の描写も欲しかったなぁ、とか。
しかしそれはMAZEシリーズを読んでね、という事だろうか。それなら、ゆめさんやっぱり巧いなぁ(笑)と。


もはや嘆息しか出てきませんが
それ程までに素晴らしい作品でした。
ゆめさん、お疲れさまでした。
Re: 第十八回企画作:ゆめなまこ著「ダンボールの城」への感想 ( No.3 )
日時: 2009/09/20 21:08
名前: 月島瑠奈
URL: http://lunatuki.com/ HOME→

こんにちは、作品読了いたしました。
拙いですが、感想など書かせて頂きます。

まず読んでの印象なのですが。
先のお二人とホント同じになってしまうんですが、「大作!そして力作!」と素直に断言できる作品だと思います。
全く同じになってしまうとアレなので、「参った!」も付け加えておきます(何ですかそれは/笑)

何というか……重すぎる作品です。
これでもか!という現実に物凄く胸が痛かったです。
でも、この気持ちのやり場のなさをどうしてくれるのか、という感覚には至らなかったんですよね。
その要因の一つとしては、緻密に練られたストーリー構成にあるかと思います。
警察組織(……に関しては知識が薄いので断言は出来ませんが)間のジレンマ、幾重にも貼られた伏線とその見事な回収……どうして隙をつかせてくれないんですか(汗)
もう、絶叫したいです。あ、これは良い意味で言ってます。
それほど心を振るわせる要素があるんです。この話には。
序、にある言葉が本当に表現されてるんだなあ、と。
なんというか、私ゆめさんの実力、ずるいとか思っていいですか(コラ

で、その心振るわせる最大の要素にして、この話にどっしりと構える核が駒井さんという主人公の存在です。
駒井さんの存在あってこそ、警察組織の都合に収まることなく、大事なものを失った智恵さんも物理的にはもう救われなくても精神的にはどこか救われたんじゃないかなあ、と。
これは勝手な妄想ですが。

お恥ずかしながら「MAZE」シリーズは未読なのですが、近いうちに読んでみようかな、と思います。
大食いの秘密(?)も気になるところですし(笑)

それでは、執筆お疲れ様でした。
Re: 第十八回企画作:ゆめなまこ著「ダンボールの城」への感想 ( No.4 )
日時: 2009/09/22 21:45
名前: D・W・W

 こんばんは、ゆめなまこ殿。
 随分前に拝読させていたのですが、感想遅れて申し訳ありません。他の作品もそろいましたので、感想を付けさせていただきます。

 いやはや、実に完成度が高い作品だなと思いました。入念な下調べによって作り上げられるシナリオの重厚さと来たら。並の市販小説よりも遙かに深みと重みがあり、最後まで飽きさせない作りになっているかと思います。警察の描写の細かいこと。思わず唸らされる出来に脱帽です。
 現実の某事件を題材に、此処までの作品を作るとは。もともとゆめなまこ殿の作品には相当な深みとリアリティが備わっていましたが、その実力のほどを再確認させられた次第です。
 非常に後味の悪い事件と、それを作り上げてしまった最悪の環境。そして最後に、犯人に突きつけられる真の罰。

 地獄を見てきたものであるからこそ、最後の言葉は意味を持つのではないかなと、感じました。
 すばらしい作品でした。また次の作品も期待しております。
Re: 第十八回企画作:ゆめなまこ著「ダンボールの城」への感想 ( No.5 )
日時: 2009/10/08 14:40
名前: みゅう
URL: http://homepage1.nifty.com/mew_rie/index.html HOME→

たまんないっすよ、ゆめさん。
これ、母には…しかも、いつも「どこまで手を抜いたらネグレクトになってしまうんだろう…」と怯えながら子育てしてたダメ母には。
10年前だったら絶対読めなかったと思う。
今だから最後までちゃんと読めたけどね。

そんなわけで、きちんとした感想にはならないわ。
先に謝っておきます。ごめん。


母として、女として、智恵と同調できる部分もある。
もちろん、反発する部分もあるけど。

虐待が繰り返されることは既に周知の事実で、これは親子関係が繰り返されるからだけど。
美春が母としてきちんと智恵を育てられなかったという述懐にきちんと表されていて、ゆめさん、ちゃんとわかってるなぁ、とありがたく思いました。
そして、幼子(おさなご)って絶対に親を憎んだり嫌ったりできないんだよね。
だから、どんなに虐待されてもその非は自分にあると思い、本来なら当たり前ですらないような些細なことなのに「自分のことを好きだからそうしてくれる」と信じ込む。
烈斗くんの言葉にそういう部分が凝縮されてて涙無しには読めませんでした。

誤解されることを承知で言っちゃいますが、子供って鬱陶しいです。
どんな些細なことでも自分のペースで動くことができない。
自分のすべてを後回しにしなければならない辛さ、もどかしさ、苛立ち。
それを感じずに子供と相対せる人たちがいるのも事実ですが、そうでない人間がいるのも事実。
それでもみんななんとか子供を育てていくのだから智恵に同情なんかしない。
母親にきちんと愛されてなかったから、なんて言い訳、絶対認めない。
──いや、智恵はそんな言い訳してないし、しないだろうけど。



え〜と、こっから先は私の持論で学術的根拠はまったくありませんし、本作の感想とも関係がないんだけど。
親子関係が繰り返されるのは、親と子供の関係って一種類しか築けないからじゃないかと思います。
子供に対するそれ以外の大人(教師や親戚、近所の人とか)は複数人いて、それぞれに対処法を学べるけれど、父親も母親も一人づつしかいないですからね。
怒り方も褒め方も、自分がされたようにしか接することができない。
自分が言われてすごい嫌だった台詞を子供に向かって言ってたりすることがありますよ。



ああ、ほら、まるで感想になんかなってない。
ほんと、ごめん。


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