Re: 第二十回企画作品、D・W・W著「粘つく視線」の感想 ( No.1 ) |
- 日時: 2010/11/16 23:27
- 名前: toku
- URL: http://negotoya.kir.jp/ HOME→
- 「粘つく視線」拝読させて頂きました。
一言で言えば、やられた!! いや、正確には油断した!! 前作「夏のおわりと水のほとり」で、少女達の交流にほのぼのした後でこれですか?(笑) 異形と異能と悪徳・・・ まさにダーク。 それにしても、警視総監さんはどれだけ異能者を抱えているデスか(爆)
文中冒頭で一番印象に残ったのは以下の記述・・・
>見ている者は気付かない。 >見られていることに。
これ、大事なことで割と「自分のことを切れ者と思っている人」って、この罠にはまり込むんですよね。 よく「お前を試していた」という言い方をする人もいますが、立場の上下に関わらず、人は常に「試し試されているわけで」 別に勝ち誇ることでもないんですよね。だから、世の中は面白くもあり、怖くもあるわけで・・・ いかん、あまり考えると、私がアナグマになってしまう(ややネタばれ)
この点から言うと、愛菜が人肉への欲望を自覚するシーンがさらに怖くなる。 つまり、異形を飼う異能者はいずれ異形そのものになるのではないかと・・・ 世の悪意を狩る者は、悪意そのものになるとも言えるし・・・ 相変わらず、正義のない世界だ(褒め言葉です)
今回の企画作、Dさんの場合は、二作品アップですが、両者ともに、正邪というべきか、ライトゾーンとダークゾーン、それぞれに振り切れているかのような印象を受けました。それは同時に作風の多彩さにも繋がっていくことでしょうし、いささか気が早いと言われそうですが、次回の企画が楽しみになってきましたよ。
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Re: 第二十回企画作品、D・W・W著「粘つく視線」の感想 ( No.2 ) |
- 日時: 2010/12/10 23:14
- 名前: 月島瑠奈
- URL: http://luna.ehoh.net/ HOME→
- 作品拝見しました。
拙いながら、思うところなど述べさせて頂きます。
正直申し上げると、私ホラーが大変苦手でして。 ビジュアルの伴わない小説でしたので、最後まで読めましたがこれ映画とかだったら恐怖の余り、途中で観るのをやめてしまったかも知れません……(汗) それ位、血生臭い描写が凄くて、何度背筋が寒くなった事か知れません。 ホラーというものは、観る者に恐怖感を与えるのを目的にしているので、ホラー作品としては十分すぎるほどに成り立っていると思います。
誤解されないように言っておけば、文章等にはなんら問題はないですし、表現を緩和してしまってはこの作品の真の恐怖感は味わえないかと思います。 内容としては何の不足もないかと。 えーと、不要かとも思って迷ったのですが、こうした立場での感想も何らかの参考にはなるかなーと思ってあえて書かせて頂きました。 気を悪くされたらすみません(汗)
話の内容に関しては、まさに善悪が徹底されているなあ、と。 根っからの悪には、情けも容赦もない。 また、悪い事をした方は自覚もなく、自らが恐怖を与えられるとそれは理不尽だと思う。 ただ世にある勧善懲悪とも違うんですよね。 tokuさんの仰る事と被りますが、愛菜は結果として悪人を葬り去っていて、でもなんか正義の味方、という感じではないといいますか。 狢と愛菜の関係やら、色々バックヤードが沢山隠されていそうで、気になる所ではあるのですが、それがはっきりしないでイライラさせられる(誉め言葉ですよ)のもまた「ホラー作品」としてはあるべき形なのかも知れません。
えーと、長々と書いた割に脈絡ない感想になってすみません(汗) とりあえず言いたいことは、この作品自体は非常によく出来ていると思います。 その点に関しましては、もういつもどおり「やってくれたー!」という思いです。 この路線自体は続けて欲しいと思います。
執筆お疲れ様でした。
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