Re: 第21回企画作:宇苅つい著「ゴロンド」への感想 ( No.1 ) |
- 日時: 2011/07/11 06:39
- 名前: toku
- URL: http://negotoya.kir.jp/ HOME→
- 「ゴロンド」拝読いたしました。
悲観でも楽観でもない、ただそこにある情景を切り取ったような、言ってみれば人生の一部を切り出したような小説。実についさんらしい短編だなと。 逸子さんを呼び出した新田君に恋愛感情的下心があったのか否か。恐らくはあったのでしょうが、そのあたりは描写してしまうのはかえって野暮でしょうし、何より作品が一人称形式で進んでいるので、描写するとかえってややこしくなるので、作中のあれがちょうどいい度合いだったかと。 一見、淡々と見える主人公の日常と見え隠れするドラマ、僭越ながらこれこそついさんの人生観なのかなと。 日常の中や外にドラマがあるのではなく、日常の中に隠れているのがドラマなのですね。 あと、思いっきり同意だった部分
>試験前に読む本こそ一番面白いんじゃないか そうそう!と頷いた私はダメ人間ではあります(笑)
最後に逸子さん、小学生でエスパイは十分おませさんですよ。
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Re: 第21回企画作:宇苅つい著「ゴロンド」への感想 ( No.2 ) |
- 日時: 2011/07/18 18:38
- 名前: 山極由磨
- URL: http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/6219/ HOME→
- 『ゴロンド』拝読いたしました。
最初、タイトルの意味が解らなくて悩んでいたんですが、読み進めてナットク。 そりゃぁ子供のネーミングだもんなぁー解らなくて当然だわ! しかし、作品の中身も去ることながらタイトルの付け方も上手いですね。
中身の方もやはり面白い。 姉の愚痴をダラダラ電話でこぼす義兄。 目が不自由だけど、どこか飄々とした母。 そんな穏やかな日常に不意に現れたのは、大昔に借りていた本を返すために現れた小学校時代の男友達。
普通ならここで無駄に物語を展開してしまう訳ですが、そうは成らない訳ですね。 微妙に過去と現在が干渉し合わないレベルで触れ合って、話は進む。 そして、穏やかなエンド。
大人の小説ですね。少し枯れ過ぎかなとも思えるのですが、そう思うのは永遠の中二病たる私故。 もう少し修行してこういうのを書きたいですね。
最後に作品中。なぜか私が感心してししまったセリフ。
>「じゃあね、みっちゃん。もうずっとここにいるといいわ。お母さんだって子守のお手伝いくらいできるわよ、大丈夫。心配いらないわ」
こういうことを言うのが母親なんでしょうね。 親子共に何歳になってもネ。
と、言うことで、お粗末な感想失礼いたしました。
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Re: 第21回企画作:宇苅つい著「ゴロンド」への感想 ( No.3 ) |
- 日時: 2011/08/25 18:08
- 名前: D・W・W
- こんばんは、D・W・Wです。拝見させていただきましたので、感想など書かせていただきます。
ほかの方もおっしゃられておりますが、日常の一場面を切り取ったような作品だと感じました。特に濃いキャラクターなどはいないのに、淡々と話が進んで、それでしっかり完結するあたりは流石です。 このあたりの生活感というか、生きているという感触についての描写力は実にうらやましい限り。拙者も見習いたいところです。
良い作品でした。次の作品も楽しみにしております。
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