Re: 第二十一回企画作:D・W・W著「クラリオン・ディスティニ」への感想 ( No.1 ) |
- 日時: 2011/07/14 20:41
- 名前: toku
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- クラリオン・ディスティニ拝読いたしました。
最初は、絶望的かつ退廃的な世界で少女クラリオンが逞しく生き抜いていくお話なのかなと思っておりましたが・・・スペオペに移行するとはやや不意打ち。 混乱した社会状況が弱者に向かう・・・追い詰められた社会でそうなるのは、歴史が証明しているわけですが、その状況下でも何とか生き抜こうとするクラリオンの強さ、それはストーリー後半での活躍ぶりからも明らかなわけで。ある意味、Dさん流のヒロイン描写術か。 それにしても、クラリオンとその周囲の女性陣は強い。 彼女が最終的に養子に迎えるシャルナにしても、最初のあの激しさも強さではあるのでしょう。 当初、クラリオンを救った連邦も、決して万能の神ではなく、その内にも外にも淀んだ政争を抱える危ういバランスの人間社会。 しかし、その淀んだ社会が、クラリオンを救い、そしてクラリオンの手を通じてシャルナを救う。 結局、人を救うのは人でしかないし、人はまたどこまで行っても人でしかない。 希望と諦観、その両方がないまぜになった複雑な作者様の内面を感じたというと言い過ぎでしょうか?
執筆お疲れさまでした。 次回作、期待しております。
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Re: 第二十一回企画作:D・W・W著「クラリオン・ディスティニ」への感想 ( No.2 ) |
- 日時: 2011/07/14 21:56
- 名前: 宇苅つい
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- tokuさんが言いたかったことを書いて下さってます。因果は巡るじゃないけれど主人公が養子を迎えるラストはいいなぁと。
>人の集団は、容易に狂うのだ。 でも救うのもまた人なんですよね。ステキな作品だと思います。
この作品は1)主人公の子ども時代、2)連邦に拾われてから、3)成熟した女性になってから、の大きく三部に別れるかと思うのですが、1から2への展開が唐突すぎる気がしました。これ、勝手な案ですが、混ぜると良かったんじゃないかと思います。2から1への回想が何度も入る。回想の方が多いくらい回想が入る。戦闘シーンの刹那に走馬燈のように巡る過去とか。……どうでしょうか?
それからこれは私のわがままになりますが、1の登場人物達が凄く印象的&魅力的なんですよ。片手の少年、言葉のない子ども、物知りの爺さん。彼らと主人公の関わりやその後がもっともっと知りたくてなりません。魅力的であるが故に、1と2のつながり部分とも相まってそれらが放り出されたような気がしてしまいます。前述したように1と2まぜこぜだとこの辺りをもうちょっと書き込んで頂けたのではないかと思って、惜しいなぁと感じました。
養子にした子どもの設定といい、とても考えられた作品だと思います。執筆お疲れさまでした。
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Re: 第二十一回企画作:D・W・W著「クラリオン・ディスティニ」への感想 ( No.3 ) |
- 日時: 2011/08/17 14:13
- 名前: 山極由磨
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- ああ!デストピア!デストピアバンザイ!!
こう言う荒廃した未来社会を描いた作品って私好物なんです『1984』とか『未来世紀ブラジル』とか『ブレード・ランナー』とかね。 それにストリート・チルドレンと言うのも昔から興味があって、色々調べていたんですが、先を越されちゃいました。 そして物語は一気にスペース・オペラへ。物語の世界観への練り具合もさすがDさんといった具合でジェット・コースターに乗った気分で最後まで一気に読めました。
ただ、物語の展開が早い気がしますが、この物語はヒロインの前半生をきっちり俯瞰しないと成立しないので仕方がないのかもしれません。 それに多少詰め込みすぎ感も有りますかねぇ、一つの物語に長編を維持できるような物語の要素が最低三つは詰まっている。 一粒で三度おいしいとも言えますが、私的には勿体ないかなぁとも思います。 ま、それらが全然対立せずにちゃんと話のラインに乗っかっているところがさすがですが。
ともかく、色々言いましたが、毎度すごい作品です。(それも二発も!) いやはや感服しきりです。
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