Re: 第22回企画作:山極由磨著「叫びが聞こえる」への感想 ( No.1 ) |
- 日時: 2012/03/27 01:19
- 名前: toku
- URL: http://negotoya.kir.jp/ HOME→
- 「叫びが聞こえる」拝読させて頂きました。
読後感をひと言で言うと、面白かったです。 事前にチャット等を通じて、ショッキングな内容と伺っていたので、正直どんなモノなのかとドキドキしつつリンクを踏み続けたのですが・・・ 何というか・・・
主人公達に感情移入したわけでも、同感したわけでもないのに 愛美と泰人が、とても愛おしく思えました・・・私も変態か?(笑) 性的な描写にしても、小説としては適切な量配分だったかと思います。ちゃんと「ストーリー」があってのその描写なんですから。 あと感心したのは、山極さんの作品に共通しているのですが、リアリティを演出する小道具類。 ・焼酎の紙パック ・半分に減ったペットボトル ・ファストフードのケース ・プラスティックのバンド(インシュロックのことか?) 等々 ただ、秘密の計画のフォルダをデスクトップに置く泰人君、ちと迂闊(笑)
絵画テーマに関しても、「叫び」で始まり「ヴァンパイア」でシメルというムンクで通した点もうまい。
そして・・・ 未熟さと身勝手さと互いの傷をなめ合う青さと 何よりも、全身でお互いに「叫び」あう愛美と泰人が愛おしい。
執筆お疲れ様でした。 次回作も期待しております。
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Re: 第22回企画作:山極由磨著「叫びが聞こえる」への感想 ( No.2 ) |
- 日時: 2012/06/02 15:09
- 名前: D・W・W
- URL: http://www5b.biglobe.ne.jp/~dww/ HOME→
- 遅くなりましたが、拝見させていただいたので、感想を書かせていただきます。
良いですねえこのインモラルぶり。 ゆうま殿の作品は基本的なインモラルとリアリティに裏付けされた世界だと思うのですが、この作品は今までに拝見した企画作品以上にその傾向が強いかと思います。ムンクをテーマにした作品としては、なるほどと思わせる内容です。
個人的にはインモラル作品と言うよりも、最近の純文学に近い感触があります。特に芥川賞系。近年の純文学は駄目人間のクズ人生を如何に緻密に書くかに執心して審査員もそればっかり求めている印象があるのですが、この作品はこびずにそれを実施している感触があって中々に面白い。読み終えて感心しました。
さすがはゆうま殿。大変面白い作品でした。インモラルは拙者も大好きなので、最後まで楽しむことが出来ました。
次の作品も期待しております。
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