D・W・Wでござる。読ませて頂いたので、感想等を書かせて頂くでござる。結論から言うと、今回もまた面白かったというのが、素直な言葉でござる。
何というか、綺麗な世界だなあと読み終わって思いました。作品全体の空気とか、落ちとかが、全体的に綺麗です。文体自体が論理的で緻密な事と、作品そのものが緻密に組み上がっている事もあるのですが、人の死が前面に出ていたり、主人公の家庭環境出生関係が複雑なわりには、とても綺麗だなと思いました。無論、最後の落ちもいい味を出していると思います。開かずの扉というとマイナスのイメージやおどろおどろしいものを連想させがちですが、これは実に綺麗です。緻密さと綺麗さはあまり両立しないものだと拙者は思いますが、この作品は充分両立させていると思います。 特にこれといった、目立つ欠点は見あたりませんでした。どう考えても原稿用紙五十枚以上の気がしたのは、おそらく文字数換算で出したからだと思います。 一つだけ疑問になったのは、少し主人公の性格が幼すぎるかなあ、という事です。中学一年生にしては、ですが。ただこれは個人差があると思いますので、気になるというほどではないかと。
大体感想は以上です。実に良い作品でした。 |