なぜ山に登るのか? そこに山が有るからだ
有名な言葉ですなぁ、でもこれ間違って訳されてたってごぞんじでっか? この言葉は今からちょうど80年前、イギリスの登山家、ジョージ・マロリーが当時未踏峰だった エベレスト挑戦する前、記者会見のときに言った物で、ほんとうは「それがエベレストだからだ!」 と言ったそうなんです。つまり、未踏峰それも世界最高峰でないと意味が無いってことですわなぁ
前置きが長くなりましたが、Dはんの今作を読んで真っ先に思ったことがこれでした。 集団の中では取るに足りない人間が、ただひたすらだれも成し得なかった目標にむかって突き進む そしてその過程で洗練され美しく昇華してゆく・・・ まさに挑戦することの意味のすべてを語ってはる、そう挑戦することとは誰のためでもない、自分の ためなんですわ!
それに今回も舌を巻かせて頂いたのは、ストーリーの構成力と描写の緻密さ、まったくDさまの イマジネーションの凄さは毎度毎度感服いたします。 最後の最後での大どんでん返しもあっと驚かされましたしね、いやぁ〜今回のは参りましたわ!
で、ここまで言うておいてなんですけど、すこし気になった点、 途中で挿入される、世界の成り立ちを暗示させる場面、あれが後半に生きてなかったのはすこし 残念、ま、わざとSF的要素をぼかしはったかもしれませんが・・・ あと、主人公が疲れる様子も、わて的には見たかった気もします 疲労が人の心に及ぼす影響はマイナス面もプラス面もありますから・・・
ま、そんなことはどうでエエと思えるほど、凄い作品でした。 ええものを読ませてもらいました!おおきに!!
それにしても、また山に登りたなって来たなぁ〜
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