北欧神話の言葉が沢山出てくるので、ニーベルングの指輪が樹の樹上にあったりして・・なぞと予想しながら読ませて頂いたのですが・・・ガーン、外れた!残念!(笑) テーマの1つだけずばぬけた才能が「木登り」と言うのは、面白いなぁと思いました。私は自分の脳内で「1つだけずばぬけた才能」=「特殊能力」=「人間じゃない」みたいな先入観に捕らえられてしまい、このテーマを放棄してしまったので、ああ、もっと柔軟な脳みそが話作りには不可欠なんだなーと反省させられました。
主人公の少女(ラスト付近まで少年と信じて疑いませんでしたが)が、高みを目指すストーリー。ゆめさんの感想にもありますが、「そこに山があるから」と言った登山家の言葉を彷彿とさせます。とても壮大な世界樹の表現もお見事でした。
少し気になった点。序章部分で、 >少年は緑の絨毯の上で見た というように、「少年」であることが、地の文にて明記されてしまっています。後々の、実は「少女」だったという展開を思えば、この部分は、 〜緑の絨毯の上に人影がある。短い髪、細くしなやかな体つきから、それは少年のように見えた〜 的に、幾らかぼかした方が良いのではないでしょうか? どうでしょう?
|